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物語が循環する社会を─

資本主義の名の下、合理性ばかりが優先された大量生産大量消費。
そして気が付いたら、日本全国のどこに行っても同じようなチェーン店舗で埋め尽くされている。これが、私たちが生きている社会の風景です。 確かにどこにいても同じ品質のものが簡単に、そして安価に入手できることは便利ではあります。しかし、果たしてこの暮らしの延長に明るい未来が待っているのでしょうか。そもそも、超高齢社会の到来、そして人口減少が急激に進行する日本においてはこの仕組みがサスティナブルではないことは明白です。それでは、私たちはどのような生き方を、どのような価値観をつくりだすべきなのでしょうか。

モノには本来、それぞれ固有の物語があったはずです。 その土地でしか手に入らない、その季節にしか手に入らない、そしてひとつひとつ丁寧に作り上げる職人の想いや情熱の物語が込められていたのです。これらの物語は私たちの暮らしに喜びや感動、家族や大切な友人とのつながりを与えてくれます。
グローバリゼーションが叫ばれる今だからこそ、もっとローカルの価値を大切にしてみませんか。ローカルの場のなかで育まれたモノには、作り手と使い手の想いをつなぐ物語が必ずあるはずです。 作り手の物語と使い手の物語が循環する社会。これこそがサスティナブルな社会の根幹だと、わたしたちは信じています。

すべてのモノには物語がある。

ある農家は誰もが安心して美味しく食べられるお米をつくるために土の状態を誰よりも理解し、毎日の天候や気温から常に土を一定の湿度に保ちます。また、あるカツオ漁を営む漁師は、大量に囲い込む巻き網漁ではなく、身を傷つけない一本釣りにこだわり続けています。また、ある職人はぬくもりある仕上げのために伝統ある巨木でなく、あえて細幅の廃材と木の節を用います。大量生産・大量消費の世の中では、商品・サービスは高度に工業化され、出来上がりの状態しか目にすることはありません。普段、あなたが何気なく利用している製品にも、その背景にはこだわり、情熱、プライドといった生産者や職人の物語が息づいているのです。

地産地消、そして旬産旬消。

たとえば大型スーパーでは、夏の野菜であるトマトが全国どこでも季節を問わずほぼ一定の価格で手に入ります。そんな便利で快適な生活の中で、私たちは大切なことを失っているのではないでしょうか。少し前までは、地元で生産したものをその土地で消費し、旬のものを旬の時期に食べるという事が当たり前でした。生産者の顔が見える信頼感と安心感、利用者の顔が見えることによるやりがいと責任感。そこには、地域に暮らす人々の絆があります。また、地域や季節という限りがあるからこそ、そのありがたみを知り感謝の気持ちを忘れない。人々の想いを感じながら、四季のうつろいを感じる、そんなささやかな幸せを大切にしたいと考えています。

地域コミュニティを育む。

これからの社会において、コミュニティの存在が重要であると私たちは考えます。地域コミュニティと言うと、里山文化といった相互扶助の視点で語られることが多いですが、ビジネスにおいても重要です。利害関係が前提となる関係性の場合、どちらか一方にメリットがなくなればその関係は終わってしまいます。しかしコミュニティの場合、お互いの背景・価値観を共有した信頼関係が結ばれているため、短期的な損得では関係性が崩れません。また、「困ったときはお互い様」というような貢献の精神も、長期的な組織作りには欠かせない要素です。このような、人と人とのつながりが物語を紡ぎ、独自性の高い商品・サービスを生み出すのです。

地産地消、そして旬産旬消。

一時期、先進国の企業による発展途上国の搾取を是正するために、フェアトレードが盛んに謳われていましたが、程度の差はあれ、大手企業と地域の生産者との関係性も同じだと言えます。グローバル化による下降圧力は高まるばかりで、超高齢化、人口減少が進行する日本において、この仕組みの破綻は明らかです。このような関係性から脱却するためには、生産から加工、消費者の元に届ける一気通貫した仕組みが必要です。そのためには生産者側も意識を変えなければなりません。自分たちの価値を見つめ直し、使う側の視点でどのような暮らしに貢献できるかを考える必要があります。だからこそ、人と人との顔が見えるローカルでの関係性が重要なのです。

わたしたちのValue

都市化型消費社会から循環社会へのシフトを推進する上で大切なことは地域活性化をいかにデザインするかです。
わたしたちは、大企業中心の極端な大都市中心型の社会からローカルの価値を重視した付加価値重視型の産業構造を実現するためには、
地方活性化による循環モデルの構築、つまり第一次産業のサプライチェーン再編(いわゆる6次産業化)を
ダイナミックに促進することが不可欠だと考えています。

  • 理想論やロジックだけでは具現化できないこともある。わたしたちはモノやサービスが生み出される現場と直接関与することを重視します。
  • 画一的な型にはまることを強要するのでなく、個々の「違い」を受け入れ、認め、そして活かしていくことが最強のチームを作る条件です。
  • 極端な効率性追求路線で得る目の前の利益ではなく、長期的な視野での持続成長性こそがビジネス価値を創出するのだと考えています。
  • 大量生産されたモノではなく、作り手の想いや情熱が伝わってくるローカル産のモノに価値があると信じています。

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